現状のまま勤務時間を規制しても、各病院は存続のために「抜け道」を見つける―。23日に厚生労働省で開かれた「医師の働き方改革に関する検討会」で、現場の医師の勤務実態を把握するため、ヒアリングが行われた。救急科の後期研修医、育児と勤務を両立させている女性医師、心臓外科の専門医、大学病院の医師といった多忙な環境下で医療活動に従事している委員・参考人が、自己研さんの時間を確保する重要性を訴えたり、改善を図らないまま規制を導入しても効果が見込めないといった懸念を示したりした。【新井哉】
■上限規制は「現状のままなら不可能」
「急変や救急搬送、緊急手術の場合は病棟業務が後回しになり、長時間勤務を余儀なくされる」。赤星昴己委員(東京医科歯科大医学部附属病院救命救急センター医師)は、後期研修医の視点で救急科の特徴や勤務実態を語った。
救急科の現場について、▽救急搬送されてくるタイミングや重症度は予想できないため、突然手を取られることが多い▽書類作成や転院調整にかける時間が非常に長い▽慢性的な人手不足で勤務時間が長くなっている―といった特徴を挙げた。
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