【山口県立総合医療センター 診療情報管理室 來島裕太】
山口県立総合医療センター(防府市、504床)の診療情報管理室は院長直轄の部署で、11人の室員が診療情報データベースの作成・抽出、診療記録の監査、がん登録、診療記録のスキャンなどの業務を行っている。
私は、個人病院と公的病院の医事課、診療情報管理課で医療事務を7年間経験した後、当医療センターに入職した。前の病院(約300床)の診療情報管理部門では、診療情報管理のほか、DPC、がん登録、クリニカルパス関連など幅広い業務を経験できた。診療情報管理課に4人いたが、業務は担当制で、例えばDPCデータの管理はA課員が専門で担当していた。また、データ抽出や定型用式、チェックプログラムなどは、Microsoft Accessなどで作成し、業務効率化を図った。
しかし、退職する際の業務の引き継ぎは困難だった。原因の1つは、診療情報管理部門に組織としてのビジョンがなかったためだった。今から振り返れば、診療情報管理部門として、どのような機能を求め、将来的にどのような役割が求められるのか、組織の変革に向けて検討すべきだったと思っている。業務の拡大や改善については、個人では目標を達成したものの、部門としての目標は達成できなかった。
このような経験から、当医療センターに移ってからは「チーム」や「組織」として業務を進めることを意識している。また、1つの業務に複数人が関わることで、さまざまな相乗効果を期待でき、生産性も向上するという実感を得た。診療情報管理室が業務を進める上で、特に重要と思われる3項目を取り上げたい。
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