【常滑市副市長 山田朝夫】
■「普通の市民」の声を聞く
私はまず、無作為抽出した1000人の市民に「ご一緒に市民病院のことを考えたいので、日曜日の午後を5回つぶして、付き合ってもらえませんか?」とお手紙を出しました。すると、59人が返事をくれました。
自分から手を挙げて「やりたい!」という人は30人にしました。この会議は、病院問題に強い関心がある人の意見を聞く会議ではなく、普通の市民に「市民病院をどうすべきか?」を聞きたい会議です。なので、無作為抽出を自薦公募より多くしました。それに行政と病院のスタッフ20人を加えて、合計109人。10人程度のグループに分かれて話し合いをしてもらうため、グループコーディネーターを9人依頼しました。
■看護部長「もう会議には出られません」
2011年5月、第1回の100人会議が開かれました。第1回では、病院に対する市民の不満が大爆発しました。「待ち時間が長い」「職員の態度が悪い」「暗い」「汚い」。会議の翌日、看護部長がひどく落ち込んでいました。「私は会議でずっと不満を言われっ放しでした。『常滑“死人”病院』なんて言われて、ものすごくショックでした。次の100人会議には、もう出られません」。
副院長は「市民は何も分かってないじゃないか!」と怒っていました。
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次回配信は11月29日12:00の予定です
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