慢性期入院医療の診療報酬を左右する医療区分の見直しに向けて、厚生労働省が、患者の症状や状態などのデータ収集に乗り出す方向性を示している。療養病棟に入院する患者のデータを病院が定期的に報告する仕組みを来年春の診療報酬改定でつくり、区分ごとの定義が適切か検証できるようにする。検証には、小規模な病院からもデータを集める必要があり、データの内容や事務負担の軽減策などが報酬改定に向けた焦点となる。【佐藤貴彦】
医療区分は療養病棟などに入院する患者の医療の必要度を表すもの。疾患や状態、実施する医療処置などで、区分3と区分2の定義がそれぞれ規定されている。どちらにも当てはまらない患者は、医療の必要度が低い区分1だと見なされる。
区分3・2の定義には、中央社会保険医療協議会(中医協)の「慢性期入院医療の包括評価調査分科会」が行った実態調査の結果を踏まえて定められた経緯がある。この調査では、療養病棟などの入院患者の状態や、そのケアにかかる時間などを調べた。しかし、区分1でも医療の必要度が高い患者がいるなどとして医療区分の抜本的な見直しを求める声も医療現場に根強い。
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