新専門医制度の専門研修プログラムの専攻医登録が始まった。研修の中心を担う大学病院などの基幹施設は、自施設や連携施設を含めた研修プログラムが、いかに優れているかをPR。研修修了後も地域に残ってもらうおうと、優秀な人材の確保に懸命だ。専門医以外の資格を取れるメリットだけでなく、食事やトレーニングルームなどの福利厚生の充実ぶりを強調したり、医師不足を逆手に取って経験症例数の多さをアピールしたりするプログラムもあり、専攻医をめぐる“獲得競争”が熱を帯びてきた。【新井哉】
■「3食950円」、職員食堂の安さPR
「サラダバーもあり。3食、食べても950円」。九州地方のある基幹施設では、職員食堂の安さに加え、売店・カフェ、トレーニングルーム、職員宿舎、大浴場といった福利厚生が充実していることを、救急科専門研修の専攻医希望者にアピールしている。
なぜ、福利厚生をアピールする必要があるのか。救急医療関係者によると、救急医の確保が困難な地域では、医療提供体制を確保するため、あらゆる手段を尽くして専攻医を集めることが「最優先課題」になっている。研修プログラムが充実している都市部の基幹施設と比べ、連携施設や指導医を十分確保できない地方の基幹施設は、福利厚生などの充実ぶりを訴えて専攻医を集める方法を取らざるを得ない。
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