【千葉大学医学部附属病院 副病院長・病院長企画室長・特任教授 井上貴裕】
1.2016年度診療報酬改定における変更点
医療費抑制という環境下で、高単価の治療室であるICUは目立ちやすいためか、厳格化が進んでいる。2014年度診療報酬改定では、ICU上位加算(現・特定集中治療室 管理料1・2)が評価された一方で、重症度、医療・看護必要度(以下、看護必要度)に関しても、従来は「A項目3点以上またはB項目3点以上」だった基準が、「A項目3点以上かつB項目3点以上」と、「or」から「and」に変わった。さらに、16年度診療報酬改定ではA項目を重み付けした上で、基準値が「3点以上」から「4点以上」とされ、受け入れ割合の基準値は「90%以上」から「80%以上」に引き下げられた。
表1 特定集中治療室管理料 重症度、医療・看護必要度の評価票の見直し クリックで拡大
集中治療は高度急性期病院にとって重要な機能であり、高単価で医療費がかさむからといって、すべてが否定されるものではない。むしろ初期に医療資源を大量に投入することによって、在院日数短縮につながるかもしれないし、そうであってほしい。
しかし、ICUの利用状況には病院間の格差があり、すべての病院が適正使用をしているとは言い難い。今回はあまり知られていない疾患別ICU入室率と在室日数などの実態に迫り、これからのICUの在り方を提言する。
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次回配信は10月30日5:00の予定です
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