【株式会社ウォームハーツ代表取締役 長面川さより】
2016年度診療報酬改定では、多剤・重複投与の削減や残薬管理の重要性の評価項目が示されました。投薬管理の推進は、次回改定でも重要な課題です。
昨年12月、中央社会保険医療協議会に示された「2018年度診療報酬改定に向けた主な検討項目」では、外来医療で「かかりつけ医機能とかかりつけ薬剤師・薬局機能の連携」「生活習慣病治療薬等の処方」「薬剤使用の適正化に係る薬剤管理業務」などが挙げられています。
■認知症地域包括診療料・加算は内服薬の管理もポイント
多剤投与の削減は、かかりつけ医機能とも強く関わってきます。
14年度改定では、かかりつけ医機能を評価する(1)地域包括診療加算(2)地域包括診療料が設定されました=表1=。▽高血圧症▽脂質異常症▽糖尿病▽認知症ーのうち2つ以上に罹患する患者を包括的に管理するのが目的です。
16年度改定では、認知症を主とした(3)認知症地域包括診療加算(4)認知症地域包括診療料が新設されました。地域包括診療料・加算と施設基準はほぼ同様ですが、「認知症+1疾患」が対象で、算定するには認知症の確定診断が必要です。
(1)(2)と(3)(4)の違いは、内服薬の要件です。(3)(4)の対象者要件は、内服薬は5種類以下(うち向精神薬等は3種類以下)とされています。つまり6種類以上投与されている患者には算定できません。
こちらは、高齢者の薬剤投与について、6剤以上の投与に有害事象が起こりやすいというエビデンスに基づいています。認知症の場合、薬物の有害事象のリスクが高まりやすいことから、このような要件が設けられたのでしょう。
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次回配信は12月1日5:00の予定です
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