中央社会保険医療協議会(中医協)の診療報酬基本問題小委員会は27日の会合で、「入院医療等の調査・評価分科会」から検討結果(中間取りまとめ)の報告を受けた。支払側委員は、7対1入院基本料(7対1)の施設基準のさらなる見直しが必要か判断するのに、分科会での分析が足りないと主張。患者の急性期医療の必要度を測る「重症度、医療・看護必要度」(看護必要度)の測定結果が「0点」の患者の実情や、入院日数について検討を深めるよう求めた。【佐藤貴彦】
分科会は、昨年4月の診療報酬改定の影響を、11-12月に調査した。その結果を分析した中間取りまとめによると、看護必要度の評価票を改定で見直し、患者が手術直後だと重症者だと判断されやすくするなどした結果、7対1病棟の入院患者に占める重症者の割合は改定前と比べて9.6ポイント上昇した。その一方で、7対1病棟の患者の約75%は重症者の条件を満たさず、そのうち約4割は評価票の測定結果が「0点」だった=グラフ1=。
現行ルールでは、行った処置などの状況をA得点、必要とする介助の状況をB得点、手術などの実施状況をC得点として、看護職員らが患者ごとに毎日評価し、その結果が「A2点以上かつB3点以上」といった条件を満たせば重症者と判断している。
重症者の条件を満たさない患者が7対1病棟に入院していることについて、分科会の中間取りまとめでは、手術前や退院前の入院が一定程度必要なことを理由に挙げた。ただ、27日の会合で支払側の幸野庄司委員(健康保険組合連合会理事)は、特に「0点」の患者を問題視し、「それで片付けられては困る」と批判した。
その上で、退院前の入院患者が多いのなら、その対策を講じる必要があると指摘。「0点」の患者の実情を分科会でより詳しく検討するよう求めた。
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