【倉敷中央病院 医療情報・診療支援部 医療秘書課課長 神谷志華】
倉敷中央病院は、1923年(大正12年)に倉敷紡績社長の大原孫三郎によって設立されました。「治療本位」「病院くさくない明るい病院」「東洋一の理想的な病院」の設計理念とそのベースにある理想主義と人間重視の考え方は、93年を経た現在も受け継がれています。
病床数は1166床(今年4月時点)、医師数は482人で、医師事務作業補助者は92人配置しており、医師事務作業補助体制加算2(15対1)を算定しています。
今回は、当院の医療秘書課で働く医師事務作業補助者の業務から、文書作成支援※1についてご紹介します。当院の医師が作成する文書は月平均3200件で、毎月約800時間※2を文書作成に費やします。この状況を受け、文書作成支援を専門的に行う「中央支援グループ」を2013年11月に医療秘書課内に発足しました。発足から日が浅いこともあり、現在は勤務年数3年未満のスタッフが全体の約9割を占め、半数以上が半日勤務のパート・派遣のスタッフです=グラフ1=。
※1 MEDI-Papyrusを使用
※2 一部の医師にアンケートを実施したところ、1枚当たりの文書作成に平均約15分を費やしていた。月間平均3200件の文書作成数から算出した。
グラフ1 中央支援グループの勤務年数別スタッフ数(2017年4月1日時点)
■雇用形態別業務
中央支援グループは雇用形態ごとに担当業務を明確にしています=表=。
文書の作成は、半日勤務のパートと派遣スタッフで行います。子育て中でも短時間なら働ける女性は多く、医療業界の経験者だけでなく、未経験者でもやる気がある人を採用しました。担当者は午前勤務と午後勤務に分かれており、ひたすら文書の作成を行います。作成した後は文書の追跡調査をします。医師が加筆・修正した箇所を確認し、自分自身のミスを発見する、ミスを共有しお互いに注意する、医師の特徴を知り、次の作成時に生かすことで、個人だけでなく全体のスキルアップにつなげます。
入職後すぐには文書の作成はできません。医療用語から人体解剖図、医療知識など多くを学び、作成済み文書の内容確認から始めます。文書の作成ができるまでには半年から1年を要します。
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