全国自治体病院協議会(全自病)の「2016年度決算見込額調査報告書」(17年3月末現在)によると、地方公営企業法を適用している全国の自治体立382病院のうち、16年度の経常収支が赤字になる見込みの病院が62.8%(15年度の実績は57.9%)と全体の6割超を占めた。病院の種類別の赤字割合は、一般病院(364病院)が64.0%(59.3%)、精神科(18病院)が38.9%(27.8%)。精神科での赤字割合は4割を下回ったが、前年度比11.1ポイント増と大きく上昇した。【兼松昭夫】
調査報告書によると、地方公営企業法を適用している全382病院のうち、15年度から2年連続で黒字が見込まれるのは115病院(全体の30.1%)。46病院(12.0%)が赤字に転落するのに対し、27病院(7.1%)では黒字回復する。残り194病院は2年連続で赤字になる見通し。
また、「法適用病院」全体での医業収益を100とすると、16年度の入院収益は64.8(15年度は64.7)、外来収益は15年度の実績と同じ29.4だった。医業費用は110.5(109.5)で、内訳は職員給与費が57.1(55.7)と6割に迫り、材料費は前年度の実績と同じ25.3だった。
■町村立の赤字割合19ポイント増
382病院のうち、一般病院の赤字割合を病床規模別に見ると、16年度決算見込みでの最高は「200床台」の73.0%(15年度の実績は64.9%)で、15年度から変化がない「300床台」と「400床台」を除き、「100床未満」「100床台」「200床台」「500床以上」で軒並み上昇した。
(残り475字 / 全1152字)
この記事は有料会員限定です。
有料会員になると続きをお読みいただけます。
【関連記事】
【関連キーワード】