【大阪府済生会吹田病院 総務課秘書・広報グループ 松岡志穂】
■病院に「広報」を
病院に「広報」を、病院に「デザイン」を、病院に「コミュニケーション」を-。これは筆者が広報を担当してから抱き続けてきた思いであり、「病院の広報を企業レベルに」を目標に取り組んできた。
大阪府済生会吹田病院では、各部署が必要に応じて広報活動をする「各部署広報」方式としている。筆者が所属する総務課秘書・広報グループでは病院全体の広報と「各部署広報」の統括管理を担当している。各部署広報のデメリットは担当者によって意識と知識に差があることだ。デザインや内容のレベルの差だけでなく、著作権や肖像権などの法令順守がなされているのかにも不安があった。しかし、秘書・広報グループにはすべての広報活動を一手に引き受けるだけのマンパワーはない。
そこで院内に向けて、「広報活動ガイドライン」を2011年12月に策定した。当院における「広報活動」の目的や方針を明確にし、広報活動をする上で大切なことや守るべきルールをまとめた。広報に関する職員の意識を高め、各部署の担当者の知識を向上させることが現状では一番効率的であり、病院全体の利益になると考えた。
ガイドラインには、行政や企業の広報に関する指針などを参考にしつつ、広報活動を行う上で必要な情報や、医療法、著作権法などの順守すべきポイントを盛り込んだ。例えば、インターネット上のイラストを使用する場合、使用条件を必ず確認することなども求めている。SNSに関しては、ソーシャルメディアポリシーを示し、不適切な投稿によるトラブルや個人情報流出などが生じた場合の対応方法も記載している。
図 広報活動のチェックポイントや情報漏えいの危険性を周知する
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次回配信は7月24日12:00を予定しています
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