【株式会社メディチュア代表取締役 渡辺優】
■症例数増加も稼働率はアップせず
DPC算定病院では、年々症例数が増加している=グラフ1=。大学病院本院(DPC病院I群)もそれ以外(DPC病院II群・III群)も同様の傾向が見られる。
グラフ1 DPC病院I群とII群・III群の症例数推移
厚生労働省DPC公開データ(2016年度公開、2015年度実績)を基に作成
一方、平均在院日数の短縮により、延べ在院日数(≒病床稼働率)は2013年度に比べて微増(DPC病院I群)もしくは減少(DPC病院II群・III群)となっている=グラフ2=。DPC病院II群・III群の中には、一部病床を地域包括ケア病棟や回復期リハビリテーション病棟に機能転換したところもあるため、DPC算定症例のデータだけでは病院全体の稼働率が低下したかは定かではないが、病院経営は非常に厳しい状況にあると言えるだろう。
グラフ2 DPC病院I群とII群・III群の延べ在院日数推移
厚生労働省DPC公開データ(2016年度公開、2015年度実績)を基に作成
■手術症例を増やすDPC算定病院
グラフ1で見た通り、DPC算定病院は症例数を増やし続けている。内訳を見ると、DPC病院I群とII群・III群の両方で「手術あり」の症例が大幅に増えている=グラフ3、4=。また、救急搬送症例もやはり両方で増えており、特にII群・III群では増加割合が高くなっている。一方、「化学療法あり」の症例は減少しており、特にDPC病院I群ではその傾向が顕著である。
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次回配信は5月24日5:00を予定しています
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