【公立大学法人福島県立医科大学附属病院 病院経営課副課長 中村孝】
福島県立医科大学附属病院(全788床)では、昨年12月に新棟(247床)をオープンしたが、前回は、「1.」新棟の基本計画や「2.」コンセプト、「3.」体制や運用を決定した経緯について紹介した。今回は、基本設計からオープンまでの過程で押さえておきたいポイントを説明する。
4.基本設計
基本設計は、基本計画などを基に、設計に必要な事項を整理し、建物の構造などの概要を決める段階だ。設計に必要なことはコンサルタントにまとめてもらうことも多い。
各部屋の配置、各階の基本的なレイアウト、必要な機能や設備、デザインなどを「基本設計図書」としてまとめる。実際の見積もりや工事に使う図面を作成するための作業となる。
敷地内での建物の配置、間取り、外観、建物の面積や概算の工事費などもこの段階でほぼ決まる。
5.実施設計
基本設計図書に基づき、設計者が詳細な設計を進め、工事費の具体的な積算を行う。基本設計は大まかな設計だが、実施設計では、各部屋の使用用途や機能、名称などを決める。
基本設計・実施設計での注意点
基本設計・実施設計の段階で事務職が注意すべきことは何か。
(1)医師・看護師に経営方針やコンセプトを十分理解してもらうことが前提。そうしなければ、自分たちが欲しいと思う機能を際限なく求められる。
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