そして3番目に多かったのは、「地域包括ケア病棟(病室)の入院料の行方」(33.3%)。来年春の診療報酬改定は、地域包括ケア病棟の新設から丸4年を迎える。前回の改定での変更が少なかったことを考えると、大幅に見直される公算は大きい。在宅患者の急性増悪への対応など、「サブアキュート」の評価が大きなテーマとなるだろう=グラフ=。
今回のアンケートでは、その項目を選んだ理由を自由記述で尋ねた。7対1の要件については、「7対1の維持で頭が痛い」「7対1病棟の維持が可能か。病床数削減か。悩みが多い」といった切実な思いが寄せられる一方、「7対1は実状とあっていない」などの指摘もあった。
地域医療構想に関しては、「地域医療構想に沿った改定になるのは確実で、それにマッチできる医療機関になれるかで存続が決まるため」との声が上がった。また、「点数で誘導しておけば、県が命令しやすくなるため」「今回の改定で大きく変わらないと、25年には間に合わない」といった回答も出るなど、何らかの誘導策があるとの見方が強い。
■通リハ・通所は機能訓練の役割分担に注目
一方、介護報酬関連では、「通所リハと通所介護の役割分担と機能強化」「特養での医療対応の変化と報酬設定」「介護医療院の各種基準と報酬」の3項目が、いずれも17.3%で最も多かった。
通所リハでは、リハビリをはじめとした機能訓練に力を入れている一方、通所介護ではレスパイトのための利用がある程度見られるなど、一定の役割分担がなされている。ただし、最近は通所介護でも一定の機能訓練を求める声が高まっている。レスパイトを中心とした「預かり型」の通所介護については、大きく報酬を削減すべきとの意見も出始めているほどだ。
それだけに、通所リハと通所介護に関する今後の議論では、機能訓練において、両者がどのように役割を分担していくかが検討される可能性が高い。その結果、通所介護においても医師との連携やADL評価指標を用いた利用者のアセスメントが、より重視される改定がなされる可能性もある。
自由記述では、「通所リハを必要とする人が多いのに受け皿が少ない」「通所介護と通所リハの役割が見えにくい」といった指摘のほか、「機能訓練の取り組みが軽い通所は『預り型』と見なされるような意見に触れるが、認知症・中重度併算定まで取って機能訓練加算が無ければ『預り型』と見なすのか、行く末が気になる」との回答もあった。
一方、特養における医療対応については、嘱託医との関係を整理した上で、入所者が外部の医療サービスを利用しやすくする改定がなされる見通しだ。自由記述では、「特養での医療対応についてはとても気になる」「特養の入所者が介護度3以上になると、当然医療依存度は上がる。管理する上で定期的な訪問診療など、外付けサービスの充実を図る必要がある」などの意見が出た。
また、新たな類型である介護医療院については、従来の介護療養型医療施設と同程度に医師や看護師の人員配置が手厚いタイプと、老人保健施設並みの人員配置のタイプの2つに分かれる見通しだ。隣接する施設や医療機関との人員の兼務をどの程度認めるかなど、細かな配置基準は今後、社会保障審議会の介護給付費分科会での議論に委ねられる。
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