中央社会保険医療協議会(中医協)が12日に開いた総会では、在宅患者の状態に応じた評価も論点となった。支払側委員は、人工呼吸器を使用しているといった「重症患者」の基準に当てはまらない患者への定期的な訪問診療について、さらに評価を細分化すべきだと主張。反対する診療側委員との間で応酬を繰り広げた。【佐藤貴彦】
在宅患者に対する定期的な訪問診療や、総合的な医学管理を評価する在宅時医学総合管理料(在医総管)は、昨年春の診療報酬改定で評価体系が見直され、患者の状態に応じて点数を3段階で設定する仕組みになった。
点数が最も高いのは患者が「重症患者」の場合で、2番目は「重症患者」以外だが月2回以上の訪問診療を要する場合。一方、月1回のみの訪問診療で十分に管理できる場合は点数が低い。「重症患者」は、「人工呼吸器を使用している」「末期の悪性腫瘍」といった要件=表1=に当てはまる患者と規定されている。
昨年春の改定後の在医総管の点数は、同じ建物に住んでいる患者数によっても異なる。同じ建物に10人以上の患者が住んでいる場合は点数が低いが、その患者が「重症患者」だと比較的高い点数を算定できる=表2=。在宅患者がサービス付き高齢者向け住宅などに住んでいる場合に、在医総管の代わりに算定する施設入居時等医学総合管理料も評価体系は同様だ。
厚生労働省は12日の総会で、昨年度に実施した「重症患者」らに対する訪問診療の実態調査の結果(暫定版)を一部提示。その上で、「患者の状態や診療内容、居住形態に応じた効果的・効率的なサービス提供に資する評価のあり方」について議論するよう促した。
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