【千葉大学医学部附属病院病院長企画室長・病院長補佐・特任教授 井上貴裕】
2018年度診療報酬改定に向け、医療機関群のあり方が検討されている。II群を目指すことに熱心で、地域の中で果たすべき役割を放棄している医療機関があり、地域医療の崩壊につながりかねないという危惧や、医療機関の格付けに使われているといった声もあり、名称の変更も議論のテーマとなる。「名は体を表す」といわれるし、重要性も理解できなくはないが、名前だけ変わっても、多くの医療機関の対応は変わらないであろう。
本連載でもII群の実績要件についての妥当性などを取り上げてきた。個別に見れば課題はあるものの、全体的にみれば、II群を目指すことは高機能な急性期病院に近づいていくことを意味し、決して悪いことではないと考えている。しかし、自院の実際の機能を考慮せず、無謀とも言える状況でII群を志向したり、II群を目指すことで地域医療に支障をきたす恐れがあれば、無理をする必要はない。 (残り2258字 / 全2756字) 次回配信は4月10日5:00を予定しています
本稿では、各実績要件の特徴からII群を目指すことの是非を取り上げ、さらに、II群を目指さなくてよい病院の特性についても言及する。
■II群の4つの実績用件の意味とは
この記事は有料会員限定です。
有料会員になると続きをお読みいただけます。
【関連記事】