厚生労働省は15日、中央社会保険医療協議会(中医協)の総会で、一般病棟10対1入院基本料の届け出病院の中に、「重症度、医療・看護必要度」(看護必要度)の基準を満たす患者割合や平均在院日数が“7対1並み”の病院があるとする資料を提出した。同省側は、2018年度の診療報酬改定に向け、病院の機能の評価と患者の状態に応じた評価の「整合性」を入院医療の論点の一つとして示しており、10対1の評価の在り方が次期改定の焦点の一つとして浮上してきた。【敦賀陽平】
現行の一般病棟入院基本料は、入院患者に対する看護職員の配置人数などに応じて、7対1から15対1まで段階的な報酬が設定されている。
しかし、14年度の中医協の調査では、7対1と10対1の届け出病院の平均在院日数と病床利用率の分布にばらつきがあり、10対1病院の中に「7対1相当」の病院が存在していた。また、看護必要度の基準を満たす患者の割合(当時は7対1で15%以上)と看護職員の実配置数当たりの病床数に関しても、7対1と同水準の病院が見られた。
さらに、同年10月から1年間のDPC対象病院のデータを比較すると、効率性指数は7対1の届け出病院の方がやや高い傾向にあったものの、一日当たりの包括範囲出来高点数や効率性指数では、7対1相当のデータを持つ10対1病院もあった。
前出の調査で、7対1から15対1までの入院患者を分析した結果、7対1では「新生物」がトップだったのに対し、それ以外の区分(10対1-15対1)では「損傷、中毒及びその他の外因の影響」が最も多かった。また、75歳以上の患者の割合は、7対1が4割超で最も少ない半面、退院に向けた目標や課題では、「低下した機能の回復」や「在宅医療・介護等の調整」などの割合が、13対1と15対1で高いことが分かった。
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