厚生労働省の「医療計画の見直し等に関する検討会」は8日の会合で、来年4月からの次期医療計画に、在宅医療の整備目標を盛り込むための方法を議論した。同省は、2025年に向けた一般病床の機能分化に伴って生じる患者のニーズを、基本的に外来医療でカバーすることにして、在宅医療の整備目標に反映させない案を改めて提示。一般病床から退院した患者の多くが通院に切り替えているといったデータを踏まえたものだが、委員からは、そのデータが臨床医としての感覚と合わないなどと反発する意見が相次ぎ、了承は得られなかった。【佐藤貴彦】
25年には人口ボリュームが大きい団塊世代が75歳以上となるため、医療ニーズの大幅な増加を見込んだ医療提供体制の整備が求められる。そのための都道府県の構想(地域医療構想)では、病床の機能分化を進め、医療の必要度が低い患者ら=表=を入院医療以外の医療・介護サービスで支えることを前提に、用意すべき病床数を推計している。
病床の機能分化に伴い、入院医療以外で支えることになる患者数は、25年時点で一日当たり30万人程度と見込まれる。外来医療や在宅医療、介護サービスで対応することになるが、このうち在宅医療の整備は、次期医療計画から目標を定めて段階的に進める予定だ。一方、介護サービスの提供体制は、市町村の介護保険事業計画で整備を進める。
両計画は、いずれも来年4月から次の計画期間に入る。つじつまが合わなくなるのを防ぐため、都道府県と市町村の担当者らが今後、それぞれの目標設定に向けて協議するほか、介護保険事業計画の計画期間に合わせ、21年度に医療計画の中間見直しを行うことになっている。
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