【千葉大学医学部附属病院病院長企画室長・病院長補佐・特任教授 井上貴裕】
前回、機能評価係数IIの現状8項目について整理し、重み付けをするなどにあたり、議論の素材を提供した。効率性係数と地域医療係数が重要であり、これらのウエートを高めてはどうかとの提案だった。特にII群病院では効率性係数を、III群病院では地域医療係数を評価し、さらにI・II群病院に地域医療係数で医師派遣機能を盛り込むことが、医師の都市部への偏在を防ぐことにつながると考えている。
2018年度診療報酬改定では暫定調整係数が廃止され、機能評価係数IIへの置き換えが行われる。このテーマは、これからの我が国の急性期入院医療における重要論点の1つであることは間違いがない。しかし、暫定調整係数が機能評価係数IIに“無難に”置き換えられる制度を考える必要はないし、激変緩和にこだわるような制度設計には反対である。弱者救済の精神は必要かもしれないが、多くの急性期病院にとっては、激変緩和よりも入院患者減少の方が大いなるリスク要因であり、懸念材料だ。18年度診療報酬改定では、さらに機能評価係数IIの重要性が高まるが、急性期病院が目指す姿を今こそ明らかにすべきである。本稿では最も本質的で重要だと考えられる新たな項目を提案したい。
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次回配信は3月27日5:00を予定しています
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