【飯塚病院副院長・改善推進本部長 福村文雄】
1 昔は良かった!?
20-30年ほど前は、病院内でももっと時間がゆったりと流れていたように思うのは、単に自分が年を取ったせいかもしれません。しかし、周りのナースも「昔は午後にはお茶する時間があった」と言います。そのことを裏付けるような内容が、厚生労働省の「医療施設調査」や「患者調査」といった統計情報にも見られます。
20年前と比較すると、全国の一般病床の在院日数は半減していますが、1日当たりの入院患者数に大きな変化はありません。単純化すれば、診療密度は2倍で、1床当たりの職員数もそれに近いくらい増えてはいるものの、高齢化に伴い複数の疾患を診ることが多くなったり、リハビリの実施や栄養の充実、安全性を担保するための業務などが増えたりしたことを考えると、人員体制がまだまだ追いついていない印象です。国の財政状況を考えると、今後も厳しい状況は続きそうです。
このような中、急性期病院として、「患者さんから選ばれる」「地域医療機関から患者を紹介してもらえる」「医療従事者も働きたいと思う」、そして「安定経営(黒字)を続ける」ためにも、今や改善活動は欠かせないでしょう。
飯塚病院(福岡県飯塚市)は、1992年にTQM活動を導入する中でPDCAを知り、2002年に目標管理制度を取り入れ、07年にISO9001の認証取得を通じて医療機関のマネジメントのあり方を学び、10年にはトヨタ生産方式の要素を加えるなど、品質管理の面で向上を続けてきました。
次回配信は2月24日5:00を予定しています
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