【医療法人社団三喜会鶴巻温泉病院 地域連携室室長 岩川彰子】
■当院の機能・編成
鶴巻温泉病院(秦野市)は、本館に在宅復帰強化加算取得病床24床を含む医療療養病棟(240床)、障がい者・難病等一般病棟(60床)、特殊疾患病棟(60床)、緩和ケア病棟(25床)計385床を持ち、南館2階から5階の4病棟(206床)で回復期リハ病棟を運営する多機能な慢性期病院である。
■入院審査・調整について
当院には、24時間医療的な管理(気管切開・褥瘡・高カロリー輸液・人工呼吸器など)を必要とする方の長期療養を目的とした医療療養病棟と、障がいや難病を有した方で、全身管理、リハビリテーション、内服調整、生活環境の設定、在宅サービス調整などを行う障がい者・難病リハビリ病棟、がん(悪性腫瘍)そのものを治すことが難しい方の緩和ケアを目的とした病棟がある。
入院までの流れは、ご家族・医療機関・在宅事業所の方から、電話相談にて概要を確認し、入院を希望される場合に、審査に必要な書類(診療情報提供書・処方・データ・ADL表)をFAXまたは郵送にて受け付け、審査を行う。1次審査は、入院審査医師と入退院調整看護師が、書類内容(病状や治療経過、ケア内容等)を確認し、入院の可否を判定する。その後2次審査では、ご家族・ご本人が病院見学し、事前申し込み手続きをすると、入院待機者としてリストアップする。
図2 医療・難病・緩和ケア病棟の入院の流れ
その後、ベッドコントロールは入退院調整看護師が、日々の空床状況に合わせて、随時ベッド調整しつつ、主治医を決定した上で入院となる。
医療療養病棟の対象者は、医療区分2・3の医療依存度の高い患者をはじめ、医療区分1で比較的医療依存度が低く、施設入所を待っていたり、病状が不安定な方の受け入れも行っている。病棟別に医療区分割合をタイムリーに把握できるシステムを導入し、病棟科長が管理しながら240床の有効活用を進めている。さらに医事課と入退院調整看護師による医療区分割合についてのダブルチェックを行い、定期的な会議の場で報告しチーム全体で情報共有している。また、病状や薬剤管理・ケア内容から受け入れが可能と判断した場合は、医療療養病棟と緩和ケア病棟が協力し、なるべく早期に入院できるように調整を行う。このほか空床が出た場合も、院内でスムーズに転床実施ができるように、医師や多職種との連携を進めている。
■「在宅サポート入院」の強化
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