昨年末、厚生労働省は2016年度の「介護事業経営概況調査」(概況調査)の結果を示した。今回の調査の最大の特徴は、介護報酬改定の影響をより正確に把握するため、改定前の14年度と改定後の15年度の経営状況を調査・比較している点だ。それだけに、この結果は18 年度の介護報酬改定に向けた議論でも活用される可能性が大きい。概況調査の結果から、特に今後の議論の動向が特に注目されるサービスについて掘り下げる。【ただ正芳】
社会保障審議会介護給付費分科会では、概況調査と、その後に行われる介護事業経営実態調査を介護報酬改定のための基礎資料と位置付けている。
今回の概況調査では、介護報酬改定前の14年度と比べて15年度の収支差率が改善したのは5サービス、悪化したのは16サービスという結果が示された。15年度の収支差率がマイナスになったのは、居宅介護支援だった。
また、収入に対する給与費の割合が高くなったのは、介護老人保健施設など17サービスで、下がったのは福祉用具貸与など4サービスだった。
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