療養病棟に配置する看護職員数の最低ラインを緩和する経過措置の期限が、来年度末に控えている。同時期に設置期限を迎える介護療養病床のみならず、看護配置の要件が緩い「療養病棟入院基本料2」(入基料2)を届け出る病床についても、病院経営者が次の一手を考えるタイムリミットが迫っているといえる。地方厚生局が公開しているデータをCBnewsが集計したところ、医療療養病床の3割強が入基料2を届け出ていた。このうち、どの程度が療養病床として生き残れるのか-。「地域医療構想策定ガイドライン」などを踏まえ探った。【佐藤貴彦】
同部会は今月7日、厚生労働省が示した議論の整理案を大筋で了承。この中で、看護配置の経過措置について、来年度末での終了が原則だが、「必要な準備期間に限り、延長を認めるべき」との方向性を盛り込んだ。また入基料2について、経過措置の取り扱いを踏まえて中央社会保険医療協議会(中医協)で検討するのが適当だとした。つまり、入基料2の存続の是非について、特別部会では結論を得ていない。
ただ、注目すべきは、この検討を「地域医療構想に基づく地域の医療提供体制等も勘案しつつ」行うべきだと明記した点だ。同構想には、少子・高齢化の進展で医療資源の不足が見込まれる2025年に向け、全国の療養病床の数を縮小する方向性が盛り込まれている。
■医療区分1は7割在宅へ、必要病床数を抑制
地域医療構想は、都道府県の医療計画の一部で、25年時点の入院医療の需要に合わせた病床数を、「高度急性期」「急性期」「回復期」「慢性期」の4機能でそれぞれ推計した結果が盛り込まれる。高齢者人口の伸び方などに地域差があることから、二次医療圏などを「構想区域」と定め、それぞれで必要病床数を推計することになっている。
地域医療構想策定ガイドラインや同省の通知によると、必要病床数は、住民の現在の入院受療率をベースに、25年までの性・年齢階級別の人口の変化や病床稼働率を踏まえて算出するのが原則だが、慢性期機能の入院受療率に関しては特別ルールがある =図1、クリックで拡大= 。
具体的には、病院の療養病棟や診療所の療養病床に入院した住民の延べ人数をそのまま推計に使用せずに、医療区分1の人の7割を除外。さらに、療養病床に入院する住民が多い構想区域では、受療率を低くするために補正する。
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