関東1都3県で24時間対応の在宅診療所ネットワーク※を展開する悠翔会(本部・東京都港区)。佐々木淳理事長は、外来に来ていた患者が、高齢で通院できなくなり、かかりつけ医と縁が切れてしまうのは、患者にとって不幸と指摘する。在宅でも、かかりつけ医が引き続き患者を診るようになれば、2025年に向けたリソースは大きく広がると訴える。【大戸豊】
■看護師中心の健康管理で入院が減少
14年度の診療報酬改定では、「同一建物」訪問診療の単価が大きく引き下げられた。16年度改定でやや緩和されたが、影響が残るという指摘もある。
同会では、在宅患者のうち約半数は施設入居者が占めている。佐々木理事長は、以前は施設診療を専門とする診療所も多かったが、報酬減で離れていったと話す。現在の単価は、「赤字にならずにやっていける妥当な水準」とみている。
力を入れたのが、施設のスタッフを中心とした、利用者の健康管理の体制づくりだった。その中で、医師はあくまでサポート役であり、医師しかできない判断や侵襲性の高い処置に徹している。
高齢者は治癒を期待できない場面も多い。治療が難しく、病気や障害を抱えながら暮らしていくのであれば、医師よりも、看護師や介護職にそれぞれの専門性を発揮してもらう方が理にかなっている。実際に、品質と効率性を両立させることができる体制が築けたという。
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