今後の急性期病院のあり方を問う対談の後編は、井上貴裕氏(千葉大学医学部附属病院病院長企画室長・病院長補佐・特任教授)と渡辺優氏(株式会社メディチュア代表取締役)が、DPC制度における機能評価係数のあり方などを話し合った。地域包括ケア病棟については、すぐに“はしごを外される”ことはないものの、現在の高い評価がこのまま続くことには、懐疑的なようだ。【大戸豊】
-今後、DPCⅡ群病院はどのような顔触れになるのか。
井上 やはり高度急性期機能を持っているのがⅡ群ではないか。あるいは、「総合入院体制加算」の1と2を取っている病院だろう。ある程度の高度急性期の機能を持つ病院は、現在のⅡ群の140病院の中に含まれているだろう。漏れはあるかもしれないが。
渡辺 現在のⅡ群病院を見ると、「高度急性期っぽさ」は評価できているのではないか。ただ細かく見ると、循環器系が多いとか、診療科のウエートで評価が決まっているところがある。誰もが高度急性期と認める病院でも、診療科が偏っているために、そこにメスが入ってしまうと、Ⅱ群から落ちる可能性がある。制度のさじ加減でⅡ群がⅢ群に変わるようでは、危ういのでは。
井上 Ⅱ群の実績要件についてⅠ群の最低値でなく、絶対的な基準を決めようという話もあったが無理だろう。とはいえ、東北医科薬科大(仙台市)がⅠ群になった。明らかに外れ値になる。どうしていくのか。
大学病院本院だけがⅠ群である必要はないので、Ⅰ群もⅡ群と同じように入れ替え制を採用した方がよいのではないか。そうしたら気合が入ると思う。大学病院本院のベッドは多過ぎるので、ベッドも減るのではないか。
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