急性期病院はどう運営していくべきなのか―。「重症度、医療・看護必要度」(以下、看護必要度)の新基準の適用の猶予などの経過措置が今月末で終了し、特に7対1病棟を持つ病院にとっては大きな岐路を迎える。CBnewsで人気を誇る連載の筆者、井上貴裕氏(千葉大学医学部附属病院病院長企画室長・病院長補佐・特任教授)と渡辺優氏(株式会社メディチュア代表取締役)に、これから考えられる展開を話し合ってもらった。この中で、在院日数が短縮化される中、空きベッドも目立ってきており、病床を閉じるためのインセンティブも必要ではないかといった指摘もあった。【聞き手・大戸豊】
渡辺 看護必要度の25%要件のクリアが難しい病院は、一部の病棟を地域包括ケア病棟に転換していくだろう。2014年度、16年度の診療報酬改定でもある程度転換されたが、この10月を境に、さらに増えるのではないか。
井上 病棟群を選ぶより、一部を地域包括ケア病棟に転換しつつ、7対1を残す方が現実的だ。使い方によっては、地域包括ケア病棟に転換した方が7対1よりも点数が上がる。7対1を捨て、10対1になる病院は、特殊な事情がない限りはないと思う。病院も看護配置を下げることは受け入れ難いはず。
渡辺 地域包括ケア病棟なら、ある程度、医療従事者を確保することができれば、うまく病棟運営できるのに、わざわざ病棟群を選ぶとは思えない。
井上 よっぽどリハスタッフが足りない病院が、苦肉の策として病棟群を選択するかもしれない。
■7対1は一度味わうと手放せない
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