【社会医療法人青洲会 青洲会キャリア開発研修センター 事務局長 諌武稔】
■組織の理念・ビジョンを実現するためには?
青洲会グループは1984年5月、長崎県北西部の田平町(現:平戸市)に設立され、一昨年、創立30周年を迎えた社会医療法人です。当初は100床規模の「青洲会病院」として、へき地における地域医療の実践を活動の中心に置き、「いつでも、どこにでも、誰にでも医療を!」「待つ医療から出かける医療へ」を合言葉に、地域住民に対する年100回の健康教室や往診船を使った離島への訪問診療など、当時としては、さまざまな先進的な活動を実践してきました。
組織には、時代に対応した理念やビジョンが必ず存在すると思います=図1=。その理念・ビジョンを追求するためには、職員の意識と行動が重要です。理念を実践し続けることができる職員の意識や行動が積み重なっていき、結果として「組織風土」が形作られていくと思います。この組織風土を形作る上で、青洲会グループでは「FISH哲学」がとても効果的に機能しました。
■「FISH哲学」って何!?
「FISH哲学」とは、米国西海岸・シアトルの「パイク・プレイス・マーケット」魚市場で起こった実話が始まりです。
当初は活気のない寂れた魚市場でした。その魚市場で働く従業員が、仕事に取り組む姿勢に「遊ぶ」「楽しませる」「注意を向ける」「態度を選ぶ」という4つのマインドを取り入れたところ、問題の職場が文字通り、“ピチピチ”と生きの良い職場に生まれ変わったというものです。今では従業員も客も楽しめる大変活気ある魚市場へと変貌を遂げており、魚介類を客の前で投げて受け渡すパフォーマンスなどはとても有名で、にぎやかな観光名所となっています。
次回配信は5月23日5:00を予定しています
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