【東京女子医科大学医療・病院管理学教授 上塚芳郎】
これまでの2回の連載で、高額の特定保険医療材料をいかに賢明に購入するかということが、病院の経営にとって重要であると書きました。米国においては、公定償還価格がないだけに、病院経営のためには、日本以上に高額医療材料を安く仕入れることが重要となります。
といっても、UCLA病院の中央材料室で再滅菌したわけではなく、Striker Sustainability Solutionsという単回使用医療材料(SUD=single use device)を再滅菌して販売するための専門の会社で再製造されたカテーテルを使っていたのです。
心カテ室でいったん使用された電極カテーテルは、会社の人間が収集に来てアリゾナ州にある工場に送り、洗浄、機能検査、滅菌、パッケージをして再びUCLA病院に送り返されます。価格は新品の半額だそうです※。まるでジェネリック医薬品の医療材料版ではありませんか。
※ 参考までに、連載1回目に紹介した心臓電気生理検査用のカテーテルは、保険償還価格が20万4000円となっている(今年3月末まで)。
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