【吉備国際大 保健医療福祉学部 作業療法学科 准教授 京極真】
Q.業務の高度化と複雑化、慢性的な人手不足、スタッフの疲弊など、 医療・介護現場の問題を克服するためには、 多職種連携の実践が欠かせませんよね。 しかし、実際にはなかなかうまくいかず…。 多職種連携の機能を高めるには、どんな対策をしたらいいでしょうか。 |
専門性の向上に加えて、
「信念対立」の低減に取り組みましょう。
■多職種連携は難しい
多職種連携とは、「患者・家族とさまざまな医療・介護スタッフが、状況と目的を共有し、お互いに助け合いながら、目的達成のために実践するもの」です。この際、医療・介護スタッフには、それぞれの専門性を発揮することが期待されています。
多職種連携の機能がうまく発揮できると、①患者・家族のウェルビーイングの向上②医療・介護の質の改善③医療・介護の安全性の確保④医療・介護スタッフの負担軽減-などの恩恵が得られます。
しかし、その実践には困難が伴います。例えば、医療に関する知識に格差があるために、100%の治癒を期待している患者と、それを否定する医師の間で協力関係が築けないといった場合があります。また、専門性が異なる医師と看護師では、同じ患者を対象にしても意見が食い違い、相互に不信感を持つということもあるでしょう。
冒頭の相談にある通り、医療・介護の現場で多職種連携が欠かせないことは、もはや多くの人が認識するところです。しかし、いざ実践となると、立場の違う人々が集まるために期待に反して足並みがそろわず、適切な連携ができていないことが少なくないのです。
次回配信は5月13日5:00を予定しています
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