【東京女子医科大学医療・病院管理学教授 上塚芳郎】
医療材料購買のコツ
急性期医療を積極的に行う病院では、材料費が年々高騰し、経営を圧迫していると思います。さらに2017年4月には消費税の10%への引き上げが予定されています。本当に困った状況ですが、病院としてはまず、特定保険医療材料費の削減に取り組むべきだと思います。
病院はライセンスを持った医療職の集まりで、一般企業よりもトップの経営方針が組織の末端まで届きにくい。しかも、縦割り組織で、診療科が異なれば、お互いに干渉しません。これでは、売り手側の思うつぼです。その医療材料を使用する診療科の医師を籠絡(ろうらく)すれば、値切られずに、売り込めるのですから。
特定保険医療材料の選定を左右するのは、担当診療科の医師です=表1=。個々の医師が、使用する医療材料を特定のメーカーに決めていれば、いくら事務方がディーラーと交渉しても価格は安くなりません。これは日本でも米国でも変わりません。
しかし米国では、驚いたことに病院の医療材料購買担当者の許可なしに、医師がメーカーの社員に面会するのを禁止している病院もあります。
次回配信は4月8日12:00を予定しています。
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