【東京女子医科大学医療・病院管理学教授 上塚芳郎】
図1 医療材料とは?
病院の経営を考えたとき、購買交渉に比重を置くべきなのは、特定保険医療材料です。特に急性期病院で循環器科や整形外科に力を入れている病院は購買量が多く、特定保険医療材料の購買力が病院の経営を左右するといってもよいでしょう。
特定保険医療材料
特定保険医療材料とは、保険医療機関および保険薬局における医療材料の支給に要する平均的な費用の額が、技術料などの診療報酬とは別に定められている医療材料のこと。
心臓病治療の分野は、この20年間のイノベーションで急速に進歩しています。ただ、医療材料の費用は高額で=写真=のような、心房細動の治療に用いる心臓電気生理用のカテーテルは、保険償還価格が20万4000円もします(2016年3月末まで)。
新規の特定保険医療材料は、保険償還価格を決める時に、=表1=のようなルールで算定されます。すなわち、機能区分別に価格が決められています。機能区分とは、構造、使用目的、医療上の効能および効果等から見て、類似していると認められる特定保険医療材料の一群を指します。すなわち、機能や使用目的が同等である医療材料は、銘柄ではなく、機能区分で価格が決まります。
例えると、グッチのハンドバッグもエルメスのハンドバッグも機能や使用目的は同じなので、同じ価格を付けるようなものでしょうか。ただ、外資系のメーカーは、このような機能区分別収載をとても嫌がっています。
次回配信は3月25日5:00を予定しています
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