【松阪市民病院総合企画室・副室長 世古口務】
当院では、全国の自治体病院を対象に、人事評価制度の導入状況(第1回、2013年3月実施)と医師人事評価制度導入状況(第2回、14年6月実施)についてアンケート調査を実施した ※ 。今回はその結果と、医師人事評価制度導入と病院経営状況の相関関係についても報告したい。
2回目の調査では、最初の調査で医師に人事評価制度を導入している病院、および人事評価制度を導入する予定の病院(204病院)に対し、アンケート用紙を郵送し、123病院から回答を頂いた(回収率60.3%)。このうち実際に医師人事評価制度を導入している66病院について調査結果を集計した。主な項目について紹介する。
※「公立病院における人事評価制度の導入に関する実態調査報告書」
■医師人事評価制度導入の地域別特徴
都道府県別に医師人事評価制度の導入状況を見ると、66病院中56病院(84.8%)は関東地区以西の病院で、東北地区は6病院(9.1%)、北海道地区は4病院(6.1%)であった=図=。
第1回の調査では、医師をはじめ、病院職員に対する何らかの人事評価制度を導入している病院は、北海道地区(回答のあった49病院のうち15病院)30.6%、東北地区(回答のあった68病院のうち23病院)33.8%だった。さらに北海道地区では人事評価制度の導入予定のない病院が22病院(44.9%)に上った。導入予定のない病院は、東北地区が20病院(29.4%)だったが、他の地区では10%台にとどまったことから、人事評価制度に対する意識にも地域でかなりの差が見られたが、第2回のアンケートでも、同様の傾向が見られた。
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