「2016年度も、その先の18年度も、これからの改定で診療報酬が上がることはまずない。病院の経営環境は厳しくなる一方でしょう」-。16年度診療報酬改定を約半年後に控えたこの秋、首都圏で開かれた医療経営セミナー会場で、こう強調した講師の一人は続けた。
「医療業界のM&Aは今後、ますます加速します」
厚生労働省の医療施設調査によると、1995年に9606施設あった病院数は2014年には8493施設に。この約20年で1100施設以上が減少したことになる。この間、超高齢社会に伴って増え続ける社会保障費を抑制するため、医療提供体制は効率化が強力に推し進められてきた。こうした時流に経営者の世代交代と後継者不足が重なり、病院は淘汰・再編の時代に突入。その手法の一つとしてM&Aは活発に行われるようになった。
M&Aはその成立が公表されないケースも多く、正確な数字は把握しにくいものの、仲介を手掛ける事業者の間では、「今後も医療機関のM&Aは増加が続く」という見方が大勢だ。
※「加速する病院M&A(下)-医療機関のM&Aは多様化の時代へ」
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