これまで2回にわたり、病院と看護側の2つの団体から、「夜勤72時間ルール」に対する見解を求めた。だが、「労働環境を改善したい」という思いは一致しているものの、どこかすれ違っている印象を受ける。では、実際に運用する看護管理者側は、一体どう考えているのか。72時間ルールは、病院における“必要悪”なのか―。医療現場の本音に迫った。
Aさんの病院はいわゆる「ケアミックス型」。一般病棟では7対1入院基本料を届け出ているが、Aさんはこの9年間、72時間要件のことで常にストレスを抱えているという。
「最近、休暇を多く要求してくる若いナースもいます。彼女たちに辞められると困るので、シフトに余裕を持たせなければなりません。パズルのようにシフトを組んでいる現状では、看護管理者としては正直、要件がない方が楽です」。Aさんはこう打ち明ける。
夜勤72時間ルール、次期改定でどうなる?―「減算ゼロ」、中医協調査に疑問の声も
夜勤72時間ルール、現行制度でも不十分―患者安全を守る視点で、全体的な議論を
(残り1324字 / 全1860字)
この記事は有料会員限定です。
有料会員になると続きをお読みいただけます。
【関連記事】