【医療法人寿芳会 芳野病院 経営企画室長 園田直則】
今から20数年前、私はアパレル業界にいました。今や日本を代表するグローバル企業となったユニクロは、まだ業界の小さな存在でした。画期的な経営戦略で「フリース旋風」を巻き起こしたのは、私が医療業界に転身して数年後のことです。一方で当時、年商3億から500億円を稼いでいた会社の多くが今は存在しません。
■これからの医療・介護業界の地図は?
10年前20年前の患者構成・疾患構成と、現在そして10年後20年後のそれとでは、かなりの変化があるはずです。2014年度診療報酬改定のキーワードは「医療機関の機能分化と連携」「在宅医療の充実」でした。いずれも数年前からいわれてきたことですが、“いよいよ本気を出してきた”ということです。
国際医療福祉大教授の高橋泰先生が指摘されているように、今後多くの地域で「医療ニーズ」が減少していく一方で、「介護ニーズ」は違う線を描きます。高齢化による疾病構造の変化や人口減少に伴い、超急性期の病院は、その役割や需要が既に変化しつつあります。慢性期病院で「在宅復帰機能強化加算」を取得できない病院は今後、医療機関としての存在価値がますます厳しく問われていくでしょう。そうした中で大きな存在感を示していくのが、地域包括ケア病棟を持つ病院です。
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