【医業経営コンサルタント協会会員、調剤薬局研究会 鈴木聡】
1つは製薬会社の高血圧薬の誇大広告に端を発した事件であり、2つ目は薬歴(薬剤服用歴と呼ばれる患者さんの体質や投薬、副作用などの記録)がないにもかかわらず、薬歴に基づいて患者を指導したとして診療報酬を請求したという事件だ。いずれも患者さんの生死に直結した事件ではなかったが、薬と薬を扱う薬局に対して大きな不信感を生んでしまった。
薬に対する患者、そして社会の期待は大きい。だが一方で「薬九層倍(くすりくそうばい)」という言葉がある。「薬の売値は原価よりはるかに高く、儲けが大きい」といった意味で、薬店が暴利をむさぼる例えとして使われる。なぜ薬に関する事件やトラブルは後を絶たないのか。そして、薬局においても、今後生き残るところと消えるところがあるとしたら、何がその境目となるのだろうか。さらに「日本の薬局」の姿は今後どのようにあるべきだろうか。
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