介護職員処遇改善加算の支給方法について、事業所から十分な説明を受けたと感じていない従事者が半数以上を占める上、その数が増えていることが、UAゼンセン日本介護クラフトユニオン(NCCU)の調査で分かった。同加算を算定する要件には、処遇改善の実施方法を毎年、介護職員に周知することも含まれていることから、NCCUでは各事業所に対し、改めて要件の順守を呼びかけている。【ただ正芳】
処遇改善加算は継続、さらに高い評価新設も(2014/11/19)
調査は今年9月から10月にかけて、全国のNCCU組合員を対象に実施。月給制従事者1938人(回収率59.6%)、時給制従事者1359人(同41.8%)から回答を得た。
このうち、介護職員処遇改善加算の支給方法について、事業者から説明を受けていないか、説明されているかどうか分からないと答えた人が月給制で53.4%、時給制で64.0%となった。いずれも回答者全体の半数を超えている上、昨年の同じ調査と比べると、月給制では5.4ポイント、時給制では2ポイント増えている。NCCUの担当者は、その背景について、「一回、周知したらあとは何年も周知していない事業者が多いためではないか」と分析。要件を守らないことは、加算の返還に直結することから、各事業所に対しては、改めて支給方法も含めた「介護職員処遇改善計画書」の従業員への周知を徹底するよう呼びかけている。
■処遇改善加算、基本給に反映は1割未満
また、介護職員処遇改善加算の申請をしている事業所の従事者に、加算がどのように賃金に反映されているかを複数回答で尋ねたところ、「基本給に入っている」と回答した人は、月給制の職員で6.2%、時給制の職員で9.1%にとどまった。最も多かった回答は「手当として入っている」(月給制の35.3%、時給制の42.1%)で、次いで多かったのは「一時金として入っている」(月給制の26.1%、時給制の25.1%)だった。
一方、「(加算がどのように反映されているか)わからない」と答えた人は月給制で12.3%、時給制で10.4%いた。
■平均給与は上昇傾向
また、今年8月の平均月収額は、月給制従事者全体が22万4542円で、同年3月の22万1657円から2885円(1.3%)増加。時給制従事者全体では13万3585円(同年3月比3.5%増)だった。
月給制従事者の平均月収額を職種別に見ると、訪問系介護員が19万9692円(同1.6%増)となったほか、施設系介護員では入所型が19万6187円(同1.8%増)、通所型が17万7914円(同1.5%増)となった。ケアマネジャーは26万4964円(同0.5%増)、生活相談員は21万972円(同2.0%増)、看護師は29万1052円(同1.0%増)、訪問系管理者は25万6974円(同1.5%増)、入所型の施設系管理者は29万5771円(同1.1%増)、通所型の施設系管理者は26万4538円(同1.4%増)。サービス提供責任者は21万962円(同1.9%増)だった。
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