※「解説・東北医学部新設、選ばれるのはどこか」はこちらをクリック。
インタビューの主なやりとりは以下の通り。
-改めて、今、東北に医学部を新設する意義は何か?
医学部を新設すれば、医師の数が増える。根拠は、地域の医師数は、地域の医学部定員数とリニアに相関することだ。これは東京だろうが、へき地だろうが同じ。医学部をつくれば、やがてその地域の医師数は増える。日本医師会が新設に反対しようがしまいが、医師は足りない。だから、たらい回しや医療事故が増えているという面がある。
医学部新設は教育事業なので、最短でも30年後とか40年後を見越してやるべき。今、西日本の医学部、つまり鹿児島大や熊本大、長崎大、阪大、京大などの方が、レベルが高い理由は、昔から連綿と取り組んできたからだ。だから、「医師不足の解消などのためには、即効性のない医学部新設は役立たない」などという意見は、数年後しか見通しておらず、教育の議論ではなく論外だ。
九州や北海道は、医師のイン・アウトが基本的にない。一方で、四国は医師の半分くらいが外に出て行く。それでも四国に医師が多い理由は、人口当たりの医師養成数が多いからだ。四国は人口約400万人に対し、一般家庭でも入りやすい国立の医学部が4つある。
ここで、東北の医師不足の原因は、関東に医学部自体の数も、国立の医学部の数も少ない点にある。関東は人口約200万人当たりに1つしか医学部がなく、そのうち国立大(5つ)に限ると人口約900万人当たりに1つしかない。私立では、開業医の子どもが入学し、また開業するという「世襲化」が起きている。
(残り2109字 / 全3020字)
この記事は有料会員限定です。
有料会員になると続きをお読みいただけます。
【関連記事】
【関連キーワード】