国内で37年ぶりとなる新しい医学部が、2016年4月にも東北地方で開学する。文部科学省は医学部新設の構想を公募し、応募のあった3陣営の中から1つを選ぶための会議を設置。今夏にも選定する方針だが、その新設医学部には、東北の既存の医療機関からの医師の引き抜きをせずに教員を確保しなければならないなど、数多くの困難なハードルが課されることになる。新設医学部は、これらをクリアした上で、東北の地域医療や震災からの復興に貢献するという本来の目的を達することができるのだろうか。3陣営の構想を比較する。【丸山紀一朗】
5月末には、脳神経疾患研究所(福島県郡山市)、東北薬科大(仙台市青葉区)、宮城県の3陣営が医学部新設を申請した。基本方針で示された通り、通常の大学設置の認可手続きの前に、条件に適合し、実現可能性のある構想を1つ選定するため、文科省は「構想審査会」を設置 =図1= 。当初は今夏までに選定するとしていたが、30日に開いた4回目の会合でも、選定先は決まらなかった。下村博文文科相は、3陣営の準備の進み具合を見極めるとして、「1、2か月は最終決定が延びるかもしれない」と話している。
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