男性看護師の情報交換の場として4月、「日本男性看護師会」が設立された。厚生労働省によると、2012年末現在の男性看護師(就業者)数は約6万3000人。この10年間で約2.4倍に増加した。看護師全体に占める割合も6.2%で増加傾向にあるものの、まだまだ少なく、男性看護師たちにとっても、職場の管理者側にとっても悩みは少なくない。同会は、男性看護師をめぐる課題にともに取り組むネットワークづくりを目指す。【烏美紀子】
「マイノリティーが集まって慰め合うだけの場や、マジョリティーに対抗する場にはしたくない。男性も女性も、病院経営者も『we』となって生産的な活動をしていきたい」。発起人の坪田康佑さんは、日本男性看護師会が目指す方向性をこう話す。
以前、コーチングファームに勤め、医療機関の経営にも携わっていた坪田さんは、男性看護師が活躍している病院と、元気がない病院があることに気付いたという。「男性看護師のパフォーマンスが低い病院では、例えばミスに対しても、『男性だから』『やっぱり男は』など、個人ではなく性別による評価がされていたりする。それでは、男性看護師は十分に能力を発揮できない」と指摘する。
医療の現場に戻ることにした坪田さんが、こうした男性看護師の現状に関する情報を収集しようと、Facebook(FB)上にグループページ「男性看護師会 ナースマン」を立ち上げたのは12年。同じように情報とネットワークを求めていた男性看護師たちが次々に集まり、現在は500人近いメンバーが登録。各地の男性看護師グループによる活動報告や意見発表の場へと発展している。
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