国立大学附属病院を取り巻く状況の変化や医療制度改革の動向を踏まえ、文部科学省の検討会は、附属病院施設の課題や整備計画立案の留意点などを盛り込んだ報告書をまとめた。報告書では、検討会の委員らが現地調査した“先進施設”の具体的な取り組みを紹介。日帰り手術が増えることを見据えたリカバリー室の効率的な運用や、民間事業者による駐車場の独立採算制といった模範的な事例を示すことで、各附属病院に対し、地域の実情や医療ニーズなどに対応した施設整備を促している。【新井哉】
「実際に国立大の病院を見て、いろいろな問題が分かった。良い事例、悪い事例があったが、そうしたことをしっかりと捉え、参考にしていただきたい」。この報告書をまとめた「今後の国立大学附属病院施設整備に関する検討会」で主査を務めた長澤泰・工学院大副学長は26日、文科省文教施設企画部の関靖直部長に報告書を手渡し、こう要望した。
現在、再開発整備事業に取り組む附属病院が多いが、すでに再開発整備を終えた病院でも、病院機能の高度化や高度で質の高い医療の推進が求められ、追加の大規模整備が必要になっているという。また、災害時の医療体制についても、「東日本大震災を契機として、災害時の医療拠点としての防災機能の充実強化などが求められている」(同検討会)。
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