政府は昨年6月の成長戦略で、介護・医療施設専門のリートのガイドラインを整備する方針を示した。これを受け国土交通省は、2月末に「ヘルスケアリートの活用に係るガイドライン素案」を作成。4月以降に立ち上げる有識者委員会などで、その内容を精査・検討し、来年度中にはガイドラインを完成させる。こうした国の動きに呼応し、民間企業も介護をテーマにしたリートへの参入を本格化させ始めた。しかし、何かと話題のこのリート、一体どんなシステムなのか―。【ただ正芳】
リートとは「Real Estate Investment Trust」の略称。日本語に直せば不動産投資信託で、投資家から集めた資金や借入金でオフィスビルや物流施設などの不動産を購入し、その賃料収入や売却益を投資家に還元する金融商品を意味する。
そのうち、投資対象の不動産を介護施設や高齢者住宅、病院などの介護や医療の施設に限定したものが「ヘルスケアリート」だ。この商品をうまく活用すれば、事業者は施設購入などのコスト捻出が容易になり、サービス提供により注力できる。また、資金調達が容易になるため、施設の供給が促進される効果も期待できる。
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