【IMSグループ本部事務局業務部指導専門職次長 佐藤達哉】
前回は、症状詳記について説明しました。今回は、医事課員と医療者の連携がうまくいく秘訣についてご紹介します。
結論から言えば、「ギブ・アンド・テーク」の信頼関係をつくることです。医事課は医療者側に診療報酬算定のルールを教え、逆に、治療内容や治療目的、疾患などについて医療者から教えてもらいます。そのためには、日々のコミュニケーションが重要で、医事課は医療者からのさまざまな依頼に対して快く動き、保険請求上の質問などがあれば積極的に聞きに行く。つまり、医療者の懐に飛び込んでいくことです。これを繰り返すことで、お互いに顔と名前が一致し、信頼関係も構築されていきます。
と言ってしまえば簡単に思えますが、実際はそうではありません。医療者の持っている専門知識が高いバリアとなり、医事課員がそれを越えられないことがあるからです。そこでどうするか。保険請求の知識はもちろんですが、そのほかの医学知識も身に付けることです。さらに、知識だけではなく、できるだけ医療現場を見せてもらうことです。そうすることで、医療者と会話がかみ合うようになり、かつ医療に対する取り組みや苦労が分かるようになります。また、医療現場を見れば、手術で使用する材料や処置をする範囲などが分かり、正しい算定につなげることができます。
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