【浅見社会保険労務士事務所長 浅見浩】
医療機関において職員が事前に何の連絡もなく突然出勤しなくなることがあります。通常、欠勤する場合には事前または事後速やかに職場へ連絡を入れるのが常識的な行動と言えますが、何の連絡もない無断欠勤の場合、その対応に苦慮することがあります。職場側としては何か事故にでも巻き込まれたか、病気で倒れてしまったのではないかと非常に心配になりますが、本人の自宅や携帯電話に連絡しても消息がつかめない場合、どのように対応すべきでしょうか。今回は事故や病気など正当な理由がなく、職場放棄のような形で出勤しない職員が出た時の対応について述べたいと思います。
懲戒解雇処分となりますと、解雇予告手当の適用除外となったり、(就業規則に定めている場合)退職金を不支給としたりすることができるなど、迷惑を被ったことに対して幾らかの経済的な支出を減らすことができます。
しかし、ここで注意しなければならないのは、解雇予告手当の適用除外は、事業所の判断だけではできないということです。懲戒解雇による解雇予告手当の適用除外については所轄労働基準監督署長の認定が必要となりますので、必ず所定の書式を提出した上で、労働基準監督署長の認定を受けてから懲戒解雇処分としなければなりません。もし労働基準監督署長の認定を受けないまま懲戒解雇処分としますと、30日前の解雇予告期間か平均賃金30日分の解雇予告手当(あるいは解雇予告期間と解雇予告手当の併用)が必要となってしまいます。
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