【越後純子(金沢大附属病院特任准教授、医学博士、弁護士)】
診断書の提出先はさまざまですが、医師が第三者に、患者の病状を証明する文書です。タイトルのように、医師には医師法上、交付義務が定められていることは、皆様ご存知だと思います。皆様も診断書の交付について、何らかの不安を感じられた経験があるでしょう。近時、筆者は、診断書の交付について、相談を受けることが多くなってきました。その内容は、患者が希望している内容と医師の認識がずれている場合に交付すべきか、交付する場合には、どのような形で交付すべきかというものです。
今回は、診断書の交付を断ったことおよび交付した診断書の内容が、患者の求めるものでなかったために修正を要求され、それに対し、医師が修正を拒否したことについて損害賠償を求められた事例を通じて、医師法の診断書交付義務について考えてみたいと思います。
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