【東京女子医科大学病院精神看護専門看護師 山内典子/同 急性・重症患者専門看護師 小泉雅子】
東京女子医科大学看護職キャリア開発支援センター(以下、本センター)では、看護職のキャリア開発と勤務継続を支援するために、看護部、看護学部、人事部が協働して、4つのプロジェクトからなる看護職のキャリア支援システムの構築を目指している。今回紹介する「看護専門領域スキルアップ研修(以下、本研修)」は、これらのうち「自己学習支援プロジェクト」の1つとして位置付けられている。ここでは、本研修の活動状況および中堅看護師を中心とした看護職者への影響、今後の課題などについて報告する。
われわれの施設は大学付属の急性期病院という特色上、病状が重い患者はもちろんのこと、移植医療や遺伝子医療などの難しい治療や、よりよい最先端の治療を望む患者が多く受診する。当然のごとく、看護師には高度で専門的な実践力が求められるが、これまではこのようなニーズに応えるために、看護師個々で自身の知識や技術、患者対応スキルの習得やレベル向上を目指して研さんしてきた。
当施設には看護師が看護の知識を習得する場として、看護部の教育委員会が主催する基礎的な研修のほか、各部署が個々に開催する勉強会が存在するが、これらは系統だった研修ではく、各自が関心のある専門的な看護について選べるものではなかった。また、こういった大きな集合教育で、即時に現場で生かせるような演習・体験型の研修を行うには限界があった。そこで、本センター主催の研修として、「自らの興味関心に沿った専門性」「明日からの実践に結び付く」実践主導型の研修が開始されるに至った。
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