【山形大大学院 医療政策学講座教授 村上正泰】
いわゆる「混合診療」をめぐる議論では、これまでに「全面解禁」の問題点が指摘され尽くした感もあり、極端な議論をする例外的な一部の人たちを除いて、「全面解禁か否か」という段階は既に過ぎたと言っていい。これからの議論は、一定のルール下で例外的に「混合診療」を認めている、現行の「保険外併用療養費制度」を前提に進んでいくだろう。
■骨抜きになる? 保険外併用療養費
政府が「日本再興戦略」で打ち出したように、保険外併用療養費制度は現在、評価療養である先進医療の対象を大幅に拡大しようという方向に向かっている。現時点では、制度の枠組みは維持しつつ、先進医療として認めるための手続きを迅速化することで対象を拡大する方針だ。きちんとした評価スキームを構築する限りにおいては、医療者にとっても患者にとってもプラスと言える。
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