患者満足度を大きく左右するホスピタリティの向上は、医療経営にとって大事なファクター。口コミサイトの評判が患者の病院選択に影響を与えるようになり、その重要性はいよいよ増している。とはいえ、「単なる接遇マナーの域を出ていない」という病医院も少なくない。医療機関のホスピタリティを「見える化」するための独自メソッドを提案しているJTBコーポレートセールスの担当者に聞いた。【烏美紀子】
「病院が提供するのは医療。ホテルとは違う」「過剰な患者サービスではないか」―。医療機関とホスピタリティというテーマには、こんな声が付きものかもしれない。これに対し、同社の医療担当プロデューサー・西崎徹氏は、こう答える。
「もちろん病院とホテルは違います。患者さんも、ホテルのようなサービスを病院に求めているわけではありません。ホスピタリティとは、高級なサービスのことではなく、相手に喜んでもらうため、相手の期待を超えて、自ら進んで行う気持ちと行動のことです」
厳しい競争環境の中、医療機関にはそれぞれブランド化が求められている。そのためには、患者の満足度を高め、口コミで評判を上げていくことが重要だ。さらに、これと表裏一体にあるのが、クレーム対策という側面。クレーム対応は、現場の疲弊感につながる。ホスピタリティを向上させることで、そうした後ろ向きの仕事を予防的に減らすと同時に、不満がぶつけられやすい会計時のトラブルを遠ざけ、未収金対策としての効果も期待できるのだ。
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