【株式会社MMオフィス代表取締役 工藤高】
8月末、ベトナムのホーチミン(旧サイゴン)市内にあるベトナム人富裕層向けの超高級病院と一般庶民向けの病院を見学してきた。前者は洗練されたデザインの建物で、日本語の通訳も常勤している一方で、後者はエアコンもなく、患者があふれ返っている。言わずもがなの格差社会、格差医療である。
一方、国民皆保険の日本は、病院建物の新しさ・古さの違いはあっても、門前払いを食らうことはなく、受けられる医療に貧富の格差はない。飛行機に例えるならば、日本は、ファースト、ビジネス、エコノミーの違いが、個室か大部屋かというサブ・サービスの違い、つまり全額自己負担となる室料差額の違いでしかない。アメニティーこそ違うが、全員飛行機に乗れ、目的地にたどり着ける。でも世界の大部分の国の医療は、飛行機に乗れず、長距離バスにしか乗れなかったり、中にはバスにすら乗れなかったりする人もいるのだ。
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