中央社会保険医療協議会の「入院医療等の調査・評価分科会」が来年度の診療報酬改定に向けた議論の中間取りまとめ案を固めた。分科会が21日、中医協総会に中間取りまとめ案を報告。中医協総会では今後、入院医療をめぐる議論を本格化させる見通しだ。一般病棟入院基本料の中でも算定数が最も多い7対1はどう変わるのか? 現時点での議論の方向性を整理した。
7対1を届け出ている病床は、2010年が32万8518床、11年が35万2802床と増え続け、一般病棟入院基本料の中でも最多。13対1(10年現在3万3668床)のほぼ10倍の病床が、7対1を届け出ている計算だ。
このため、前回に引き続き次の報酬改定でも、7対1の要件の一層の厳格化は避けられそうにない。厚生労働省保険局の宇都宮啓医療課長は、今月2日に開かれた社会保障審議会医療部会の会合で、こうした現状について、「地域の医療ニーズに即しているとは、なかなか言えない」と述べ、病院・病床の機能分化を促す必要性を強調した。
中間取りまとめ案によると、平均在院日数の取り扱いと、一般病棟用の「重症度・看護必要度評価票」のうち、A得点の項目を見直す。さらに、7対1入院基本料の要件に、▽早期リハビリテーションを提供できる体制の整備▽退院して自宅に戻ったり、亜急性期・回復期病棟に転院・退院したりする患者の割合▽DPCデータの提出-などの追加を検討する。
平均在院日数に関して中間取りまとめ案では、7対1と10対1の「特定除外制度」の見直しに踏み込んだ。特定除外制度は、本来は診療報酬の減算対象になる長期(90日超)の入院患者でも、「人工呼吸器を装着」「リハビリテーションを実施」など12項目のどれかに該当すれば減算を回避できるというもの。
12年度の前回報酬改定では、一般病棟入院基本料のうち、看護配置が手薄な13対1と15対1でこうした仕組みを廃止。その代わりに、▽引き続き一般病棟入院基本料を算定できるが、長期入院の患者を平均在院日数の計算対象に含める▽医療区分やADL区分を用いた「療養病棟入院基本料1」と同じ評価にするが、平均在院日数の計算対象には含めない-のどちらかを、病院側が病棟ごとに選ぶ形になった。
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